完璧主義の弊害

一番じゃなきゃ嫌だ、全部分からないと気が済まない、というお子様が度々いらっしゃいます。
いい加減に勉強するのも考えものですが、完璧を求めすぎるのも考えものです。


かつてこのような生徒さんがいらっしゃいました。

生徒A…テストで成績上位者が毎週貼り出される塾に通っている中2生。いつもクラスで1位か2位の成績でした。ある時、現在完了の範囲に入り授業で分からない箇所が出てきました。これでは次のテストで上位に名前が載らないと思い、退塾されました。

生徒B…公文でK教材を学習中、1年半の先取りをしている優秀な中3生です。長文に出てくる単語で分からないものを全部単語帳に書き覚えようとしましたが、多すぎて挫折。公文を退会することになりました。

AさんもBさんも、
①完璧でないことはよくないと考えていた
②正しい学習方法が分からなかった

ことが挫折の原因です。


この2点を解消する方法を考えます。

①まずは今の自分を受け止めること。頑張ったのであれば、頑張った自分をよくやったと認めることです。

次に理想の自分と今の自分のギャップを知ること。理想の自分が必要以上に高く設定されていたら、理想をもう少し下げるのも一つの手です。

その上で、理想の自分に到達するための期間を設定して、どのように行動すれば近づけるかを考えます。

そうすると、心穏やかに長期間努力を継続することができます。


②一度で理解できないことに出会ったときにすることは、「いつかまた見直すノート」に書いておくことです。

現在完了、分詞、仮定法あたりはなかなか一度で理解できるものではありません。

中3〜高1で勉強して、長文の中で正しく読めるのが高2〜高3、自由英作文で自在に使えるのが大学生〜英検準1級以上といった印象です。

様々な勉強をしながら、3ヵ月後でも1年後でも2年後でも戻ってきたときにようやく理解できたということもあります。

分からなかったら回数を重ねる、経験を積んでまた見直すことを知っておくと、一度で理解することに固執することがなくなります。


AさんとBさん、上記の退塾理由が適切ではないと心の中では思っていたので、保護者の方には塾についていけない、部活が忙しいと話していたとのことです。

先生やおうちの方ができることは、難しい単元に入った時「何度も繰り返すとわかるようになるよ」と事前に予防線を張っておくことだと思います。

また、小さな失敗をした時に、都度失敗との向き合い方を教えることです。そうすれば大きめな挫折があったとしても、立ち直り方が分かるので早く前を向けるようになります。